草加太鼓クラブ

埼玉県草加市で活動している和太鼓団体「草加太鼓クラブ」のブログ。

草加和太鼓祭りで人の心を点火しつづける太鼓エンジンにやられた。

9月1日(日)、草加市中央公民館ホールで、第4回草加和太鼓祭りが開催されました。

タイムスケジュール
12:00 子馬座
12:20 草加太鼓クラブ
12:40 青柳太鼓愛好会
13:00 小山太鼓
13:20 MSC
13:40 ~和太鼓体験コーナー~
14:10 北谷太鼓
14:30 草加 保育魂
14:50 八幡太鼓
15:10 和太鼓 凛
15:30 秩父屋台囃子保存会
16:00 閉会 

 以下、強い印象を受けたところだけ、かいつまんで書いていきます。

草加太鼓クラブ

12時20分、プログラム2番の草加太鼓クラブの演奏の始まり。

輝け囃子」( 民族歌舞団「荒馬座」のオリジナル曲)からスタート。

小さい子供中心の演奏です。太鼓5基を5角形に配置して、位置を移動しながら楽しく叩く。今後はもうちょっと展開や変化をつけられたらいいな。あと笛をつけたい。

2曲目は「風の子まつり太鼓」。

メンバーの1人(保育園児)が保育園で習ってきたことがきっかけで今年からやっています。

動画を検索したら、保育魂の演奏動画があったので、その演奏を見本にしました。カッコよさと弾けた楽しさが両方ある曲です。

最後は「豊年太鼓」。石川県七尾で演奏されている豊作を祈る雨乞いの太鼓です。草加太鼓クラブでは独自のアレンジで演奏しています。力強い曲でどんどん盛り上がっていきます。

1番は女性4人、2番は男性4人がが演奏します。また2番で急にテンポを上げるところがポイントです。

大事なテンポ感をリードするのは、中心で叩く締太鼓。その役割を当日朝、僕が与えられました。普段なら任せてください!と即答ですが、実は仕事で5月から太鼓の練習に行けていないのです。でもだからこそ、引き受けました。勘は取り戻せるか、心配で頭の中でずっとシミュレーションしていました。1番と2番のテンポを手を動かして確認し続けていました。

いよいよ本番。僕の締太鼓のイントロから始まる。

打ち出して、あ、もっと遅くするべきだった、これでは2番での差が小さくなると思った。そして裏のアクセントになる左手が打ち損じた。的から外れた。

落ち着け! 安定したリズムのキープが一番大事なんだ、と言い聞かせました。

イントロに続いて大太鼓の始まりです。女性たちが叩く太鼓の力強い音とフォームと掛け声が観客を引き込んだのを感じました。

女性たちが終わって、一瞬のブレイクが入ります。

僕は腹から「よっ!」と掛け声を出して、リスタートしました。速いか。いやこのメンバーなら大丈夫。

男たちの大太鼓が入り始めました。安定してる。安定しているけど、スピード感、加速感も感じる。メンバーの興奮がわかる。その様子がうれしくて笑ってしまった。

最後は男女全員でエンディング。

「やっ!」と声を出しながら両手を突き出して終わり。

拍手喝采

「よかった! よかったよね」とメンバーに声をかけました。

やっぱり太鼓は楽しい!

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草加太鼓クラブ。豊年太鼓。

青柳太鼓愛好会

青柳太鼓愛好会が気になりました。

青柳太鼓愛好会は子供たちと大人がいっしょに楽しく演奏する微笑ましい団体なのですが、今年は大人だけの演目がありました。

太鼓(右)と締太鼓(左)を組み合わせたセットを6セット並べて、1人が大太鼓と締太鼓を右へ左へとバチを振るって技巧的に演奏したのです。腕の振りもダイナミック。こんなすごい演奏する団体だったんですね。今まで見逃してました。

この奏法は基本的に大太鼓と締太鼓が同時に鳴りません。大太鼓と締太鼓の間を撥が行ったり来たりして、お祭りのお囃子みたいな掛け合いみたいなフレーズを叩き出していました。1人掛け合い。

草加 保育魂

人気の「草加 保育魂」の登場。男性保育士さんだから、保育園の子供たちが声援を送ります。ちなみに女性保育士さんのチーム「和太鼓 凛」も素晴らしい技を披露していましたよ。

保育魂は三宅太鼓を本物の三宅島の師匠から直に学んだ人たちで、フォームがすごいです。腰を低く落として低い太鼓に水平にぶち当てます。延々とできます。それを実現できるほど鍛えられた身体がすごいわけです。

そんな保育魂が、僕たちが演奏した「風の子まつり太鼓」をやったときは驚きました。かぶった! やられた! しかも僕たちが見本にしていた動画の本物バージョン! まさに男らしさとひょうきんさが同時に湧き上がる素晴らしい演奏でした。

でも、草加太鼓クラブも子供たちが遊びながら叩く楽しさにあふれてて、よかったと思います。

ゲスト「無形文化財秩父屋台囃子保存会 高野右吉と秩父社中」

前回まで連続で出演していただいた秩父屋台囃子保存会とはちがう団体でした。

大太鼓1基を打ち手が入れ替わりながら叩く演目。これは秩父夜祭りの再現でしょう。
そのあと、秩父夜祭りの説明。

代表の方は「太鼓は生涯スポーツと言っていました。秩父屋台囃子はまさ激しいスポーツす。ブラジルから習いに来ている人もいるとか。ブラジルに比べれば草加なんて近いから来てくださいって。

12月に開催される「秩父夜祭」では巨大な山車(だし)を大勢で引っ張る。その山車の中で屋台囃子が演奏されます。

「太鼓は山車のエンジンなんです」と代表者が話しました。

大太鼓の「ドロロロロロン」と刻む秩父屋台囃子特有の音など大型トラックのエンジン音そのもの!

そんな話を聴いたあとに、舞台用に4基の大太鼓で構成した特別バージョンの屋台囃子が披露されました。

背後のスクリーンには、祭りの山車の映像が流れていました。山車に若い男が乗っていて、身を乗り出して引き手や観衆を煽る煽る。

そして目の前の舞台上では聴いたことがない強烈な屋台囃子が鳴っています。複数の打撃が完全にシンクロして連続した爆発音が生まれる。かと思うとこするような小さい音も。極端なメリハリが情動を揺さぶる。

ふと3年前の映画「マッドマックス 怒りのデスロード」を思い出したのです。でっかい車が砂漠を暴走する。若いやばい男たちが身を乗り出して絶叫している。エレキギターでノイズを掻き鳴らし火炎放射する。車上で太鼓を打つ者たちの存在が異様だ。車からはみ出して、座って両手で太鼓を打つ! もはや秩父夜祭りそのものじゃないですか。ジョージ・ミラー監督は秩父に来たことがあるにちがいない!

参考動画:49秒あたりから「もろ秩父屋台囃子じゃん!」がちょこっと出現。リズムも秩父屋台囃子に似てる!?

www.youtube.com

暴走する山車と人の心を点火しつづける太鼓エンジン。興奮と感動で居ても立っても居られない状態になった。

僕も叩きたい!

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太鼓は山車のエンジン。秩父屋台囃子。

大盛況で立ち見も出ていた今回の草加和太鼓祭り、来年は草加市文化会館ホールで開催されることになりました。中央公民館の3倍のキャパ! 満杯にしてやりましょう!